ぺんたの 東京雑感

23区郊外に住むぺんたより 新しい時代に寄せて

桜咲く ~ 有事の桜 ~

その日、外へ出ると、春を思わせる日差しが降り注いでいて

パンデミック」なんて物語の中のことのようにも思えた

それは何日前のことだっただろう

 

そして、今日

近所の桜並木のトンネルを歩いた

見頃である

 

ああ、今年も桜が咲いてくれた

毎年そう思う

そんな今日は 朝から

パンデミックは加速」と報じられていた

 

でも 桜は咲いた

 

これが散ると 一気に葉が繫り

季節が進むのだ

そして、

 

毎年、夏になると思う

ああ、今年もまた夏が来てくれた

大好きな夏、その空気を感じるとうれしくなる

しかし、夏は戦争と平和について思い考える季節でもある

だから尚更 また夏が来てくれた と安堵する

 

再び 目の前を見ると

桜が咲いている春 

桜咲く春に

世界中が戦っている 見えない敵と

 

そして、今、この瞬間も

多くの人々が、必死で生きている

生業を断たれ、断たれそうになっている人も

休校中の 家に居る子ども達のことを案じている人も

仕事との板挟みに悩む人も

乳幼児を預かる立場の人も

社会人1年生も

満員電車を避けることができない人も

妊婦さんも

公務員も

・・・ 挙げきれない数多の人々

 

そして

まさに苦しい病状の中にある人も

自らの命をかけて 覚悟を決めて

最前線で患者さんとウイルスに対面している人も

 

 

誰もが必死で生きている 

いつもそう思ってきたけれど

 

まさか こんなことになるなんて

 

想像していなかった

 

検査が保険適用になればどうにかなるんじゃないか、

なんて、簡単な話ではなかった

 

複雑である

一体、誰の話を頼りに 自分の判断を持てばよいのかも

わからない

 

ウイルスの潜伏が長い、と報じられた時に

長くかかりそうだと 漠然と予想したものの

事態は もっともっと複雑で

 

そこには 国の仕組みが関わり

実際に広がっていることと

施策との 時差が大きく

 

日本の国民性のようなものが

良いように働きづつけることを

切に願う

 

まさか 自分の家族が死をも覚悟を決めて

仕事に臨まなければならない事態になるなんて

 

3・11 以来だ

 

小さき者は 小さなことを行うのみ

花を見て 空を仰いで 祈るばかり